くりちゃんの甘いものに首ったけ

なんちゃってお菓子評論家がいろいろなお菓子の情報をお届けします。

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子

いろんなケーキを食べて行くと

同じ名前のケーキなのに

見た目も味も随分違うのがあります。

 

パティシエが違うから、作り方が違うということもありますが、

素材の質が違うということが実は大きな理由だったりもするのです。

 

素材ということに関して私が一番影響を受けたのは、

代官山のイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのオーナーシェフ弓田享氏。

 

弓田氏は、日本の洋菓子界の鬼才、重鎮と呼ばれています。

お菓子の教科書的存在である弓田氏。

その体験に基づくお菓子に対する考え方は素晴らしいものがあります。

 

『ブルータス』『クロワッサン』など各紙面でも紹介されているので

ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

けっして時代の雰囲気に身を任せず、

おいしさとは何か、フランス的な味わいとはどのようなものか、

自己の存在をかけて本質を追い求めてきた方です。

見た目と違い、温かく熱く職人的、芸術家でもあります。

 

教えていただいた中で

一番印象に残っているのが「卵の味」の違いです。

 

卵がイワシの味がするなんて知りもしませんでした。

鶏の餌の中にイワシが多く含まれているので

そのまま卵にイワシの味が出てしまうんです。

 

でも、そういうことを知っていれば

逆に、卵を美味しそうに見せることも可能なんです。

餌にパプリカを混ぜて黄味の色をオレンジっぽくしたりする工夫が

生れたりもするんですね。

 

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子は

素材にかなり厳しい基準を設けています。

そして素材をどう美味しく変身させるか、

という工夫も含めて

その徹底ぶりは他に類を見ないほどです。

 

一度代官山に行って、召し上がってみていただきたいです。

すべてのお菓子がおすすめですが、

素材の良さがわかりやすいシュークリームやモンブラン

特におすすめだと思います。